映画のあとにも人生はつづく

最近見て心に残った映画について書いています

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ブリッジ・オブ・スパイ

初老の男が自画像を描いている。とても画家には見えない。平凡な顔立ちの男だ。自画像を描く人間は常に自分の人生の意味を反芻している、という。男はやがてスパイ容疑で逮捕される。1957年、ニューヨーク。米ソ冷戦真っ只中の出来事である。男には弁護士が…

恋人たち

ひとりの若者が誰かに語り続ける。何かを訴えるように、必死に―。 妻と結婚する直前の思い出だ。何度も何度も反芻したであろう記憶。禁煙を約束したが、守られずに吸ってしまった男を、妻は「徐々にやめていけるといいね」と言ってくれた。しかしやがて彼女…

杉原千畝

昭和30年。日本の外務省に一人の外国人が訪ねてくる。「スギハラセンポ」という役人がいるはずだ、と。応対した役人はなぜか「そんな人間はいない」という。外国人は粘る。「多くの人間が彼に命を救われたのだ」と。映画はここから時間をさかのぼり、リトア…