映画のあとにも人生はつづく

最近見て心に残った映画について書いています

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

人生をしまう時間

埼玉県新座市。とある病院の二人の医師が、終末期を家で暮らす患者を訪問診療している。その半年余りに及ぶ記録である。 「帰りたい。どんなぼろい家でもね」 91歳のおばあちゃんがそうカメラに向かって言う。古い日本家屋に戻ってきたその冨子さんの最期の…

"樹木希林"を生きる

昨年亡くなった樹木希林の最後の一年間に密着したドキュメンタリー。樹木希林はその死の1年あまり前から4本の映画に出演することが決まっていた。この映画には、病を抱えながら女優として人生を全うしようとする樹木の最後の姿が映し出されている。 監督はN…

ジョーカー

顔面にピエロの化粧を施す男のアップ。口角を両手の指で無理矢理のようにあげて見せるが、なぜか零れ落ちる涙が青い塗料に混じる。 アーサー・フレックは心の病を抱えながらスタンダップコメディアンを目指している。ピエロの変装は街頭の呼び込みや、病院の…