映画のあとにも人生はつづく

最近見て心に残った映画について書いています

ドキュメンタリー

ぼくと魔法の言葉たち

アメリカ、マサチューセッツ州。プライベートなホームビデオが映し出される。ありふれた親子。しかし…。 3歳になる頃 オーウェンは突然消えた 自閉症だと医者は言った 一生話せないかもしれない、と医者は続ける。失意の家族。しかし転機は6歳の時に訪れる。…

海は燃えている 

地中海。イタリア最南端の島、ランペドゥーサ島。海岸沿いの松の木が低い枝を四方に長く伸ばしている。11歳の少年サムエレは枝の錯綜する頭上に小鳥を探している。やがて小さな枝を折るとナイフで削り始める。パチンコを作るのだ。 サムエレは友だちにパチン…

人生フルーツ

愛知県春日井市。高蔵寺ニュータウンの一隅に、とても小さな雑木林がある。モミ、カエデ、ナラ、シイ、ケヤキ…。林の中を覗いてみると、その奥にはキッチンガーデンが広がる。野菜70種、果物50種。そしてぽつんと平屋建ての家屋。ここに住んでいるのは津端修…

湾生回家

湾生とは、戦前台湾で生まれた日本人のことを言うらしい。日清戦争で台湾を得た日本はその後50年にわたってこの島を支配した。その間多くの日本人が海を渡り、多くの日本人がかの地で生まれた。しかし、敗戦後彼らの多くは本土に送還された。その数20万とい…

いしぶみ

暗闇の中、綾瀬はるかの朗読が静かに始まる。背後に古びた金属のような壁がある。その壁には中学生になったばかりの子どもたちの姿がぼんやりと映し出される。広島二中一年生たちである。昭和20年8月6日、生徒たちは建物解体作業のため朝早く本川の土手に集…

FAKE

「あなたの怒りではなく、あなたのかなしみを撮りたい。」 監督の森達也氏は映画のはじめにこう告げる。相手は佐村河内守氏だ。全聾の作曲家を自称していたが、実は別の人間に作曲させていたことで大きな騒動を巻き起こした佐村河内守氏。世間からバッシング…

牡蠣工場

岡山県瀬戸内市牛窓。牡蠣の名産地である。港の近くの作業場では、牡蠣の殻を剥くために何人もの人を雇っている。毎日毎日、いったいいくつの牡蠣を剥いているのだろう。気が遠くなるようだ。しかし、町は過疎で後継者もおらず人手が足りない。中国からの出…

光のノスタルジア

南米チリ。北部に広がる荒涼としたアタカマ砂漠。ここに「過去」を求めて人々が集まる。「過去」の痕跡を探す考古学者、宇宙の光をとらえる天文学者、この地で肉親を亡くした女性たち…。人々はそれぞれのやり方で「過去」に向き合う。遠い「時間」のかなたに…

沖縄 うりずんの雨

うりずんとは、沖縄で春分から梅雨に入る時期までのこと。「潤い初め(うるおいぞめ)」が語源であるらしい。70年前のうりずんの季節に沖縄戦が行われた。沖縄では今もこの時期になると当時の記憶がよみがえり、体調を崩す人たちがいるという。 映画は、沖縄…